【出産記録】ちいさな命と私の母性が生まれた軌跡〜陣痛からお産まで〜

  • 2022-09-20
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2022年9月17日(土)午前2時45分に、第一子を出産しました。
10%も満たないほどといわれている予定日ちょうどのお産。

私が出産した産院はコロナウィルスの影響で、産後の面会が14時〜17時と限られています。
平日の出産になると主人が面会に来れないので「予定日通りに生まれてきてくれたらいいな」と話していたのを聞いていたのか、我が子よ。

「なんて親孝行かつ空気の読める子なんや。」

さっそく、親ばかを発揮する私たち夫婦。

お産は本当に十人十色。産まれた子の数だけドラマがあります。

自分が出産すること。母になること。近づいてきているのに、どこかまだ人ごとのように思っていた数日前。

思っていた以上の感動と愛情と責任感が芽生えた瞬間を、ずっと覚えていられるようにブログに残しておこうと思います。(人間ってなんだかんだすぐ忘れちゃうから)

目次

  1. 陣痛の始まり
  2. 陣痛の本格化
  3. いざ、分娩台へ

陣痛の始まり

9月16日(金)、予定日前日とのことで、念の為に主人はリモートワークにしてくれていました。

おしるしは2日前に来ており、いよいよかと思っていたその日の朝。
起きた時から身体に違和感を感じ、これが前駆陣痛というものなのか?

もしもの時に備えて、まずはしっかりお風呂に入る。(お風呂好きとしては欠かせない!結果、入っておいて本当によかった!!)

その後、入院準備の最終チェック。

時間の経過とともに、どんどん痛みは強くなります。

前駆陣痛なのか、本陣痛なのか。どっちやねん。
ネットで何回調べても、10分間隔の痛みというものがどういうものなのか経験をしていない身からしたらよく分からん。

とりあえず、これからのお産に向けて何か食べておいたほうがいいと思い、食欲の低下を感じつつも、お昼ご飯はしっかり完食!(賞味期限が17日だったビビンバを今食べないと食べ逃すかも。というこんな時まで食い意地を遺憾無く発揮)

食後、痛みはどんどん増してきます。

いよいよ痛みが均等になってきたかも?

産院に電話するタイミングをどうするか。
電話して、まだ待機しててください。って言われるの嫌やしな。

でも、もうこれは10分間隔ちゃう?

けっこう痛いしな。

主人と相談しつつ意を決して、15時過ぎに産院に電話。

って、繋がらんやん!

話し中。2分後かけるも話し中。その2分後も話し中。

なんでやねん。っと心の中で叫ぶ。

しばらくしてから主人のスマホからかけて、やっと通電。

さらっと「では、入院準備を持って産院に来てください〜」とのこと。

陣痛タクシーに電話し、20分ほどで到着。

陣痛の本格化

到着後、赤ちゃんの心音などのチェックをしてもらうと、本陣痛の間隔は実はまだ20分ほどとのこと。

本陣痛の間にある痛みは弱めなので、本陣痛には含まないらしい。

痛みにそんなに種類があるの?そんなん分からん。

今の状態だと、まだいつ産まれるか判断が難しい。
その日の夜かもしれないし、次の日の朝になるかもしれない。

助産師さんに提案された選択は2つ。

①家も近いので一旦帰り、様子を見て痛みが強くなったら再度来院プラン
 メリット:家でリラックスして過ごせる。旦那さんにそばにいてもらえる。
 デメリット:再度来る際の判断が難しい。これ以上強い痛みの時にまた来るのが辛そう。

②このまま入院し、お産を迎えるプラン
 メリット:設備が整った施設で過ごせる。陣痛が本格的にあったらお産までスムーズにサポートしてもらえる。
 デメリット:入院費が余分にかかる。旦那さんは一旦帰宅なので、一人で陣痛を乗り越えなければいけない。

正直、このまま入院してしまいたい。ただ入院費のことは頭をよぎる。

すると主人から「このまま入院したら?入院費は気にせんでええし。素人が二人で家に帰っても不安なだけやし、プロがそばにいてくれた方が安心やろ」と。

よく私のことを分かってくれている。

夫婦で相談し、②を選択。

そのまま入院することになりました。

部屋に入ってゆっくりできることもなく、陣痛が私を襲います。
ベットにずっと寝たきり。

夕飯も出していただきましたが、食欲はなし。

ただ「今からのお産に向けてちょっとでも食べて!」とのことだったので、なんとか必死にシーフードドリアに口をつけました。
めちゃくちゃ美味しい!でも、重い。今じゃない、元気な時に食べたかった。

シャワーもできたら浴びておいてと言われたけど、気力も体力もなし。

ひとりっきりの陣痛との戦い。終わりが来ない、永遠にこの時間が続くように感じました。

いつになったら、産まれてくれるんやろう。

辛すぎて、ナースコール。この辺りは正直、痛かった。という感覚以外の記憶がありません。

陣痛の痛みが変わってきたとのことで、分娩室の隣の部屋に移動。

そこで、ひたすら子宮口が開くまで待機。赤ちゃんは降りてきているのに子宮口がなかなか開かない。

今まで経験したことのない痛みとの戦いに、体力もだいぶ消耗し、心が折れそうになりながら叫び、のたうち回っていました。

人生で経験した何よりも辛い時間でした。

時間の経過もわからず、痛みのある時間と、痛みのない時間をひたすら繰り返す。

子宮口が5cmほど開いたタイミングで、ついに「そろそろ旦那さん、呼びましょうか」と助産師さん。

その時はすでに深夜の1時。

病院に来たのが15時くらいだったので、10時間が経過していました。

そんなに時間が経っていたことに衝撃を受けつつ、主人への電話。

寝ていたらどうしよう。という不安は一瞬で吹き飛ばされました。
ワンコールで応答してくれ「すぐ行くよ」と。

とても安心しました。

いざ、分娩台へ

主人の到着してからも、ギリギリまでは待機。
背中をさすってくれたり、声をかけてくれたり、乱れに乱れた私に引くことなく支えてくれました。

そして、破水。

まさに、破水。

破水ってこういうことなのか、と一瞬だけ妙に冷静になりました。

ようやく分娩室へ。

やっと、ここまで来た。
クライマックス。

とても、長い序章でした。
本当の戦いはここから。

よくテレビで見るあの光景です。
「次に痛みが来たらいきんで!」よく聞くセリフ。

痛みといきむタイミングを合わせること、そして呼吸。

さらに、足の位置や、腰の位置、顔の位置まで意識しないといけないこと多すぎ!!

もう、言われた通りにただただ力一杯いきみます。

でも、出てこない。まだ、出てこない。

ここからも長かった。

やはり、少しの会陰切開は必要とのこと。
希望は切開なしでしたが、もう切開して早く産まれるならそうしてほしい。

何度目の痛みのタイミングかわかりませんが、
「いきんで!踏ん張って!」
「力抜かずに、長めにいきんで」
「あともう少し」

スタッフの方たちの励ましと掛け声に支えられ、ひたすら言われることに集中。

皆さん、本当に褒め上手。
いきみ方が合ってるのかもわからず、ただ力を振り絞ってましたが、「いいね!上手上手!」と、ひたすら持ち上げてくれました。

「今のいいよ!もう一回できる?やってみよう!」

「頭もう見えてるよ!」

息を吸い、止める。そしていきむ。
息が続くまで、できる限り力一杯いきみ続けました。

そして、ついに。ついにぬるっと。

最後は感覚を感じませんでした。痛かったような気もするし、痛くなかったような気もする。

気がついたら産まれていたんです。

一瞬がとても静かに感じました。

泣き声は?っと不安に。

ただ、その数秒後にしっかりとした泣き声を聞くことができました。

泣き止むのは早く、スタッフさんから「すごく穏やかな子ですね」と。

産まれてきた子の姿を見た瞬間、今までの辛さや痛みが全て吹き飛びました。耐えてよかった。無事産まれてきてくれてよかった。

日頃から運動も定期的に行っており、体力には自信があったつもりでしたが
お産で全てを消耗。

疲れた…

達成感と安堵から涙が自然に溢れました。

自分自身に起こった出来事で、こんなに感動したのは初めてで、今後もないんじゃないかなと思います。

3095gの想定よりちょっとおおきめだった、ちいさなちいさな新しい命を前に、自分の中に母性が芽生えたのを感じました。

正直、子どもがめっちゃ好きかと聞かれると、そうでもない。
子どもと遊ぶのも全然得意じゃありません。
子どもと遊ぶことや、赤ちゃんをあやすことが上手な人を見るといいな、と思っても実際にうまくなろうという努力もしてきませんでした。

そんな私に芽生えた母性。とてつもなく湧き上がる愛情。この子を守り育てていく責任。そして、これから一緒に生きていくことへの幸せを感じました。

母性は偉大。生命の神秘。

直後は、いきみすぎて筋肉がびっくりしたのか、手足の震えが止まりませんでした。

「私、本当によく頑張ったな。」

震える手足を感じながら「この時くらい自分を褒めて労ってもいいじゃないか。」と思えました。

主人に立ち会ってもらえたことも本当によかったです。

夫婦で乗り越えたお産。

お互いに対する感謝と尊敬。
我が子の誕生した感動を分かち合えたこと。

これから大変なことがたくさん待っている。
これは間違いない。

けれど、この瞬間をお互いに忘れず支え合いながら頑張っていこう。

家族の記念日がまた一つ増えました。

Mehana Lima
Maiko Mashimo

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