2019年10月13日。
私は東京の南青山にある「ル・アンジェ教会」で挙式を行い、併設されているフレンチレストラン「ラ・ロシェル」で披露宴を行いました。
当時はまだコロナ禍前で、開催前の不安等もなく順調に準備を進めていました。
ところが10月6日頃。台風が発生し、結婚式前日の12日に日本に上陸しました。
それが、令和元年東日本台風です。
目次
- 台風による結婚式開催の危機
- 運命の結婚式当日
- 感極まった挙式と披露宴
台風による結婚式開催の危機
令和東日本台風は、静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などで記録的な大雨となり、甚大な被害をもたらし、昭和54年台風第20号以来、40年ぶりに死者100人を越えた台風。東京でもかなりの被害がありました。
災害救助法適用自治体は14都県の390市区町村であり、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)を超えて過去最大の適用だったとのことです。
秋は台風が多いとはいえど、こんなに被害の大きな台風が自分の結婚式前に来るなんて、本当に信じられませんでした。
台風の状況によってはキャンセルの判断も必要だったため、式場の担当者の方とも連絡を取りながら、台風の進路を確認する毎日。
今までの準備が全てパーになるかもしれないと、本当に直前の1週間は生きた心地がせず、本当にただただ祈るばかり。
私側の参列者は、半分ほど地元の京都から来てくれる予定だったので、友人たちともこまめに連絡を取り合っていました。
友人たちの言葉には、ずいぶん励まされました。
挙式が近づくにつれ、台風も日本へ近づいてきます。
主人の家族は、前日の12日に飛行機で来る予定だったのですが、早々に判断し、まだ飛行機が確実に飛ぶ11日に東京へ来てくれました。
さすが全員A型の家族。準備や計画、緊急時の対応が抜かりありません。
一方、全員B型の私の家族といったら。
12日に新幹線で来る予定だったのですが、私が「11日に東京に来てほしい」と母に伝えたら「その日の夜は仕事の飲み会があるから行けへん」と。
「飲み会と娘の結婚式どっちが大事やねん!」
と心の中でつっこみつつ、もう彼らの判断に任せることにしました。
心配が的中し12日は、東北新幹線が全便運休。
このまま13日も運休になれば、私の家族不在の式になるのか…
ただ、そこで父の判断が冴え渡ります。
午前中はまだ北陸新幹線は動いていたので、早朝に京都からサンダーバードで石川へ。石川から北陸新幹線で東京に来るというトリッキーな手段。
柔軟性というか、最終的になんとかなるのがB型っぽい。
けれど、弟は朝起きれなかったらしく「行けたら13日の朝行くわ」とのこと。どこまでもB型が炸裂します。
「いやいや、中座のエスコートあんたやねんけど」と思いつつ、もう運に任せるしかありません。
運命の結婚式当日
12日の東京は本当に台風で吹き荒れていましたが、13日には去るとのことだったので、結婚式は決行することに。
式場の担当の方は、家に帰らず、式場の近くのホテルに泊まってくれました。
東京の友人にも開催の旨の連絡をし、前日遅くまで京都から来る友人とやり取り。
13日の東北新幹線の運行か運休かのお知らせは朝の5時頃発表。
どきどきしすぎて、夜もほとんど寝れず。ネットのお知らせを待ちました。
そして、無事、全便運行のお知らせ!!
友人達も朝早く起きて、確認してくれ全員が無事新幹線に乗れることを確認。
この時の安堵感といったら言葉になりません。
ただ、問題はまだまだ続きます。
その日の早朝、完全無敵だと思っていた東京メトロが、全線運転停止のお知らせ。まさかの東京の人も来れない危機。
しかし、一時的なものだったので7時頃には全線運転を再開したので、ほとんど影響はありませんでした。
私たちも準備のために朝早くに式場へ向かい、準備をしながら家族や友人達と逐一連絡を取り合っていたので、式前の「干渉に浸る」ような時間は全くなく慌ただしく時間が過ぎていきました。
ちなみに、弟も無事に新幹線に乗って式場までたどり着いてくれました。
感極まった挙式と披露宴
「台風一過の青空が広がる」とはまさにこの事。と言わんばかりに当日は快晴。
いよいよ、挙式が始まります。
扉の前に立つとやっと「自分の挙式が始まる」と実感が込み上げてきました。
そして入場。
昨日まで来れるか来れないか分からなかった友人たち全員の顔を見ると無事開催できた嬉しさと、ここまで来てくれた感謝で心がいっぱいになりました。
披露宴の始まりの挨拶では、みんなへの感謝の気持ちを上手に伝えたかったのですが、まさかの開始2秒ほどで涙が溢れてきて、周りから「いや、まだ泣くんは早いやろ」とつっこまれる始末。
友人たちの方が家庭もある中で、この為だけにわざわざ東京へ来るのに、当日まで行けるか分からない状況で、本当に大変だったと思います。
それにもかかわらず、ひたすら私への気遣いや励ましをしてくれた全員の優しさに触れ、感謝の気持ちが溢れた結果の涙です。
本当に素敵な人たちに囲まれて幸せだな。と改めて感じることのできた結婚式でした。
ちなみに、披露宴の演出は、モロッカンタイルの結婚証明書の作成を行いました!
座席表として置いていた、ゲストの名前を書いたタイルを、全席まわって貼り付けていくというものです。
結果、素敵な結婚証明書ができましたが、当日は、隙間なくはめることができず、最後の方は無理くり突っ込んでなんとかそれっぽく見せました。笑
全員での共同作用感と完成した時の達成感を感じることができるので、とても素敵な演出になり、ゲストの方にもすごく喜んでいただけましたが、時間に余裕がないとかなり焦ることになります。笑
もし、キャンドルサービス以外の演出をお考えでしたら、おすすめです。
結婚式には、結婚式の数だけドラマがある。
本当にその通りだと思います。
私たちの結婚式は、台風によって本当に直前まで気が抜けない経験となりましたが、その分強く思い出に残っています。
友人にも「あの時、台風ほんま大変やったよな。でもいい式やった。」と覚えていてもらえているのも、ある意味台風のおかげです。
12日や、私たちの直前に予定しておられた方はキャンセルされたとのことだったので、無事に開催できたことを心から感謝します。
この日の思い出は、いつも私たちを支えてくれる人たちの笑顔で溢れています。夫婦の愛を誓うだけでなく、私がこの時支えられたように、どんな時もみんなの支えになると誓った日です。